「エンジェル」
エンジェル
原題: ANGEL
監督: フランソワ・オゾン
製作年度: 2007年
上映時間: 119分
出演:ロモーラ・ガライ、シャーロット・ランプリング、サム・ニール

飯田橋ギンレイホールにて鑑賞。 

1900年代初頭のイギリスを舞台に、幼いころから上流階級にあこがれ、
16歳で人気作家としてセレブの仲間入りを果たした女性の夢と現実を描く人生ドラマ。
幼い頃から憧れていた豪邸“パラダイス”を購入し、華美な暮らしを始めるエンジェル。
そんな中、彼女は画家のエスメと恋に落ちるが…


フランソワ・オゾン監督作品にしては閉塞感が軽め。
いや、実際のところ閉塞感は普通にあるけど、通常のオゾン作品はもっと狭い。
その狭さが非常に濃ゆいオゾンワールドを造り出すわけだが、
本作は密室でもないし(パラダイス屋敷も夫エスメを束縛し閉塞感を与えるが、
ヒロインにとっては密室でも制限でもない)、演劇的な演出は限られたシーンのみ。
しかも全編英語(舞台がイギリスだから)。ということでだいぶ雰囲気が違うので、
いつものオゾン味を求めて見に行くと、
…あら?このまま終わり?みたいな気持ちに。
物凄いどんでん返しも無いしな…

エンジェルの奇天烈な衣装(コスプレ?)、
戦前のハリウッド映画みたいにちょっと間抜けな作り物の背景を背負ったポーズ、
そして何より、心から愛した人の死に際してまで、滔滔と嘘っぱちを芝居がかって述べる逞しさ。
彼女は、現実の自分など気にも留めず、「こうありたい」と思う自分を自ら産み出してゆく。
それは観ていて非常に面白い。

オゾンはコントロール不能な女性のエゴやパワー、揺るぎない欲望、
野蛮な母性などを描くのが上手だ。
本作も、すごいなーこの女、どうしよう絶対感情移入できないな、と序盤に思うが、
ラストに至るまでには何となく親しみを覚えてくる。うまい。
でもでも、そんな映画をわざわざオゾンに作ってほしいわけじゃないのだ。
もっと他の誰にもできないような、キチガイじみた世界を見せてほしいのに。
『風と共に去りぬ』なんかを意識してたのかなあ。
今、オゾンがそれをやる意味が良く分からないけど。
年とって、そういうリスペクトを形にしたくなったのかなあ。

好みの問題なので、悪くないんだろうけど、私は、エッジが取れてきちゃってるように思えて残念。
私は「焼け石に水」〜「8人の女たち」あたり、あの頃の作品が好き。
全体がしっかり絞られていて、媚びない。
考えるな、感じろ!っていう。
突き抜けたセンスをばーんと提示して、どう?みたいな。
リュディヴィーヌ・サニエは文句無く可愛いし。


セット、衣装、ダンス、キャスティング、全てが完璧。邦題も良かった。
焼け石に水焼け石に水
(2003/01/24)
ベルナール・ジロドー、アンナ・トムソン 他

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最後の最後のどんでん返しで、観客ぜんぶ置いてきぼり、みたいな余韻の投げつけ方。
スイミング・プール 無修正版スイミング・プール 無修正版
(2005/01/21)
シャーロット・ランプリング、リュディヴィーヌ・サニエ 他

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隙が一分も無い。嘘みたいに衣装が素敵。
8人の女たち デラックス版8人の女たち デラックス版
(2003/07/21)
カトリーヌ・ドヌーヴ、エマニュエル・ベアール 他

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2008-02-29 23:47 | 映画 | Comment(0) | Trackback(0)
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