「アート・スコープ 2007/2008」展@原美術館
照りつける太陽の下、品川駅ビル内で買ったアイスを舐めつつ原美術館まで。
体が溶けそうになる。駅前でタクシーに乗るか、いっそ車で来ればよかった。
平日だったから美術館の駐車場も空いていた。

「アート・スコープ 2007/2008―存在を見つめて」展
原美術館にて 8月31日(日)まで

ダイムラー・ファウンデーション・イン・ジャパンの芸術支援活動「アート・スコープ」。
日本とドイツの両国間で、互いに現代美術のアーティストを派遣・招聘するという事業。
原美術館は2003 年から「アート・スコープ」のパートナーを務めている。
この事業の2007/2008年度にエクスチェンジされたアーティスト、
加藤泉と照屋勇賢、エヴァ・テッペとアスカン・ピンカーネルの4人展。


エヴァ・テッペの映像作品。
ホーンテッドマンション の最初の部屋みたい。
真っ黒の暗い部屋に、不安で陰気な顔を映した画面が並んでいて、
そのイメージを見つめていると、ゆっくりと微妙に表情が変化する。
こちらに暗い目線を寄越し、また伏せる。
この顔はどれも、ある婚礼の宴の席に集った親族の映像から抽出した表情だという。
忘れ難い、冷たい感触を残す。

アスカン・ピンカーネルのドローイング。
繊細で緻密。表現行為の基本(=対象を観察して手で造形する)を再確認する…
と解説にあるが、今ひとつ面白みに欠けるような。

照屋勇賢のインスタレーション、立体。
オオゴマダラの蛹を使った包丁や靴のオブジェは詩的でなかなか素敵。

加藤泉、ぬおーんとしたペインティングと木彫。
世界の底の底から現出したような、あるいは昔からそこに居たような。
原初の匂いと、今ここに在るという感覚が両立している。
すごく良かった。意味や解釈を拒むような佇まい。ヒント無し。
ただ、良いなあ。木彫、欲しいなあ。
展示室の空間もすごく良い感じ。

常設のレイノーの「ゼロの空間」に上がってみたら、暑くて10秒と居られず。
美術館の窓から外を覗くと、緑に影が濃い。夏休みだなあ、という感じ。
その手前に佇む作品たち。良い眺め。

館内の洗面所、パンパスの束が少しの緑と一緒に、がさっと活けられていて素敵だった。
2008-07-25 08:03 | 展覧会 | Comment(0) | Trackback(0)
アメリカン・バレエ・シアター 2008公演「白鳥の湖」
アメリカン・バレエ・シアター 2008公演「白鳥の湖」
上野東京文化会館 大ホールにて 
7月23日(水) 18:30開演 


1階席はほぼ満席。
みのもんたや華道家の假屋崎さんもいた。
改めて見ると、大ホールとは言え小ぢんまりしている。
後ろの席でもそこそこよく見えそうな…
しかしホール全体だけではなく、席も狭い。
脚がつっかえるので、普通に真っ直ぐ座れない。痺れて結構つらかった。

舞台セットはシンプル、王道。
衣装はどれもなかなか可愛かった。
ふわふわのスカートは幾つになっても何となく憧れで、見飽きない。

王子の友人役、サッシャ・ラデツキー、すごい跳躍。
はちきれんばかりのエネルギッシュな動き。
四羽の白鳥の踊り、何度みても笑ってしまう。
文明堂の白い子熊?のラインダンスを思い出してしまう。
男性2人のナポリの踊りは全く揃わなかった。
いくら跳んでも修正できないまま。
全体に、群舞は今ひとつ揃わない。
舞台の狭さに難儀しているようにも見えた。
バラバラしていて目に引っ掛かる感じ。
肝心の白鳥はまあまあ揃えていた。
ラストの夜明けのコールドは幻想的な美しさ。
後半に来て見せ場のジークフリート王子役、マルセロ・ゴメス、すごい安定した踊り。
うまい。若干、体操ぽくはある。アラベスクとか特に。
レイクサイド・ロットバルト(怪物のほう)、ゾロゾロの衣装に角の生えたメイク、素敵だった。
フォン・ロットバルトのデヴィッド・ホールバーグ、 凄味のある美形。
惣領冬実の「ボーイフレンド」の頃の絵柄がそのまんま出てきたみたいな。

ラストの王子の崖からの跳躍、身体があり得ないくらい反り返って、
いっそ清々しいほどだった。
バレエを観るのは、ほんとうに目が忙しくて、楽しい。



2008-07-24 08:26 | 演劇・公演 | Comment(0) | Trackback(0)
グレン・グールドのゴルトベルク。
シェプキンのゴルトベルクのリサイタルは素晴らしかった。
けれど、ここしばらくグールドばかり聴いていると、
やっぱりシェプキンは装飾的すぎる、と思ったりする。
勝手なものである。

バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年デジタル録音)バッハ:ゴールドベルク変奏曲(1981年デジタル録音)
(2004/11/17)
グールド(グレン)

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これは晩年の方の録音。唸り声が凄い。

静かに、寂しい溜め息のように始まるアリア。
流されず、ひとつひとつ重ねられてゆく音。
音が落ちて、上昇して、広がって…、
気のおけぬ語らいのような、緻密な対話のような、
孤独な問いかけのような、堂々たる演説のような、
そういう様々の音が全てクリアな音符で提示される。
ささやきさえもクリアに。

素晴らしい技巧に気を取られる間もなく、あっけない程に、
入り組んだ旋律をこなしてゆく。
全楽章を通して弾いて、1時間かからないのだ。
グールドの硬質の音は結晶めいている。
自然の理のように、必然性をもって響く。その純度。

グールドはこの曲を完全に「知っている」のだなあ。

2008-07-14 08:26 | 音楽 | Comment(0) | Trackback(0)
「リニューアル2008 コレクション展示」@川村記念美術館
「リニューアル2008 コレクション展示
川村記念美術館「絵画の森」。レンブラント、印象派、現代の巨匠たち」展
川村記念美術館にて 
2008年8月31日(日)まで

開館から18年の今年、増改築工事を終えてリニューアル・オープンした川村記念美術館
展示面積が約1.5倍になったという。
新築の、バーネット・ニューマンとマーク・ロスコのための部屋が圧巻。
ともに、20世紀アメリカの抽象表現主義を代表する作家。

ニューマンの部屋には、「アンナの光」という大作が1点。
深く不思議な赤と白の大画面の左右両側に、大きくガラス窓があり、
アイボリー色のカーテンを通して日光が優しく降り注ぎ、美術館敷地の美しく広がる緑の風景が透かし見える。
鮮やかでがっしりとした作品と、柔らかな風景を切り取った窓の対比が印象的。
明るい自然光との柔らかな調和。
ただのホワイト・キューブで見るより、ずっと魅力的な舞台装置になっている。

ロスコの部屋は床は黒い板張り、赤を基調とした重厚な作品が各壁面に並ぶ。
部屋は薄暗く、空気がひんやりと沈んで、大きな動物の胎内にいるような感じ。
とても精神的な部屋。
9月からはロンドンのテイト・モダンでのロスコ展へ貸出しが決まっているそうで、
本展の会期が終わるとこの部屋はいったん閉鎖されるとのこと。

レンブラント、モネ、光琳、ブランクーシ、ウォーホル、エルンスト…
非常に幅広いラインナップだが、やはり上記の2部屋が白眉だったと思う。

東京から、電車だとちょっと不便だが、車ならドライブ気分で程よい距離。
庭園も見事。でもこれからの季節は、歩き回るにはちょっと暑いかも。

kawamura0

kawamura1
2008-07-07 08:27 | 展覧会 | Comment(0) | Trackback(0)
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