■「グッド・シェパード」
「グッド・シェパード」
監督:ロバート・デ・ニーロ
出演:マット・デイモン、アンジェリーナ・ジョリー他
製作年度:2006年
上映時間:167分
原題: THE GOOD SHEPHERD
シネセゾン渋谷にて鑑賞。
CIAの誕生を巡り、1人の男が運命に翻弄されていく様を描いた人間ドラマ。
13年ぶりにメガホンを取ったロバート・デ・ニーロが
監督、製作、出演の3役をこなす。
タイトルの「グッド・シェパード」
―国家の忠犬、というような意味かと思ったら、
新約聖書のキリストの言葉
「私は善き羊飼いである。善き羊飼いは羊のために命を捨てる」
からの引用だそう。
マット・デイモン演じる主人公は
アメリカのための善き羊飼いたらんとして、
冷戦時代のCIA諜報員として高度で危険な仕事に身を捧げる。
国家機密に関わる裏外交という仕事の間断なく恐ろしい緊張が、
個人の生活の深いところまで入り込み、
同僚、友人、家族の絆すら傷つけてゆく。
この時代のアメリカ人の愛国心というものを、
我々日本人には真に理解することは難しいだろう。
主人公のようなエリート中のエリート達の連帯意識と誇り高さ、行動様式も。
そんなふうに国家に身を捧げなくてはいけないだろうか、
と疑問を感じずにいられない。
アンジェリーナ・ジョリー演じる主人公の妻についてもそうだ。
馬鹿みたいに夫を待ったりせず、
家を出て自分の幸せを探せばいいのに、と歯痒く思う。
でも、それ以外の選択肢などあり得ない時代だったのだ。
主人公と偶然再会した昔の恋人が、
二人のあったかもしれない生活について、主人公に話す。
「あなたは詩を続けて、大学の教授になって、
私たちはどこかの小さなカレッジ・シティに暮らしているのよ…」
あったかもしれない未来。
でも、彼はそちらへ行くことはできなかった。
CIA、WASPのエリート集団、そしてアメリカ国家という、
自分が所属するグループから追放されて、生きていくことができるだろうか?
途切れることのない重厚な緊張感が、長さを感じさせない。
20年間の時間を行きつ戻りつ、映画は進む。現在のシーンの後に数年前のシーン、
また戻り、今度は学生時代のシーンが差し込まれる。
けれど観ていて混乱することは殆んど無く、よくできている。
それぞれの時代の状況についても親切な説明は無いが、
観ていればちゃんと分かってくるようになっている。
脚本は「フォレスト・ガンプ」「ミュンヘン」の脚本家エリック・ロスによる。
ただし、冷戦の構造やKGB、ピッグス湾事件、
また、スカル・アンド・ボーンズといったフラタニティについて、
おおまかな基礎知識はストーリーを正確に理解する上で必要。
すごーく面白かったけど、
残念ながら都内での上映は殆ど終了のようです。
監督:ロバート・デ・ニーロ
出演:マット・デイモン、アンジェリーナ・ジョリー他
製作年度:2006年
上映時間:167分
原題: THE GOOD SHEPHERD
シネセゾン渋谷にて鑑賞。
CIAの誕生を巡り、1人の男が運命に翻弄されていく様を描いた人間ドラマ。
13年ぶりにメガホンを取ったロバート・デ・ニーロが
監督、製作、出演の3役をこなす。
タイトルの「グッド・シェパード」
―国家の忠犬、というような意味かと思ったら、
新約聖書のキリストの言葉
「私は善き羊飼いである。善き羊飼いは羊のために命を捨てる」
からの引用だそう。
マット・デイモン演じる主人公は
アメリカのための善き羊飼いたらんとして、
冷戦時代のCIA諜報員として高度で危険な仕事に身を捧げる。
国家機密に関わる裏外交という仕事の間断なく恐ろしい緊張が、
個人の生活の深いところまで入り込み、
同僚、友人、家族の絆すら傷つけてゆく。
この時代のアメリカ人の愛国心というものを、
我々日本人には真に理解することは難しいだろう。
主人公のようなエリート中のエリート達の連帯意識と誇り高さ、行動様式も。
そんなふうに国家に身を捧げなくてはいけないだろうか、
と疑問を感じずにいられない。
アンジェリーナ・ジョリー演じる主人公の妻についてもそうだ。
馬鹿みたいに夫を待ったりせず、
家を出て自分の幸せを探せばいいのに、と歯痒く思う。
でも、それ以外の選択肢などあり得ない時代だったのだ。
主人公と偶然再会した昔の恋人が、
二人のあったかもしれない生活について、主人公に話す。
「あなたは詩を続けて、大学の教授になって、
私たちはどこかの小さなカレッジ・シティに暮らしているのよ…」
あったかもしれない未来。
でも、彼はそちらへ行くことはできなかった。
CIA、WASPのエリート集団、そしてアメリカ国家という、
自分が所属するグループから追放されて、生きていくことができるだろうか?
途切れることのない重厚な緊張感が、長さを感じさせない。
20年間の時間を行きつ戻りつ、映画は進む。現在のシーンの後に数年前のシーン、
また戻り、今度は学生時代のシーンが差し込まれる。
けれど観ていて混乱することは殆んど無く、よくできている。
それぞれの時代の状況についても親切な説明は無いが、
観ていればちゃんと分かってくるようになっている。
脚本は「フォレスト・ガンプ」「ミュンヘン」の脚本家エリック・ロスによる。
ただし、冷戦の構造やKGB、ピッグス湾事件、
また、スカル・アンド・ボーンズといったフラタニティについて、
おおまかな基礎知識はストーリーを正確に理解する上で必要。
すごーく面白かったけど、
残念ながら都内での上映は殆ど終了のようです。



























